So-net無料ブログ作成

アズラーの由来

 
古来より伝わる祭礼『小豆裸の儀』
 
 鎌倉時代末期より丹波国の農村では、若い男衆が村で収穫された小豆を顔に付け、神前で裸踊りすることによって、五穀豊穣と無病息災を祈願する祭礼『小豆裸(あずら)の儀』が受け継がれてきました。小豆を顔に付けて裸で踊る男衆のことを『小豆裸(あずら)』と呼びます。
 祭礼は春に執り行なわれます。準備は各集落の宮座が担当し、女衆は小豆を一晩かけて煮込むことで顔に付けやすくします。男衆は上半身裸のふんどし姿になり、顔に小豆を付けられて小豆裸となります。元々は頬に数粒の小豆を付けるだけでしたが、長い歴史を重ねるごとに小豆の量が増え、顔面をすべて覆うほどにまで発展していきました。また、より多くの小豆を顔に埋め尽くした男は、一人前の大人として認められるため、この祭礼は通過儀礼の意味も含まれているようです。
 全ての準備を整え、神が現れる夜半を過ぎると、騎馬戦のように3人1組で小豆裸を担ぎ上げて「あずら〜、ずらずら〜」と皆でかけ声を合わせながら神社へ向かい、社参して儀式を始めます。
 儀式は拝殿の前で行なわれ、小豆裸は朝まで踊り明かします。この裸踊りは『小豆神楽(あずきかぐら)』と呼ばれるもので、土を耕し、種をまき、小豆を収穫するまでの一連の流れが基になっています。これらの儀式は神事とは思えないほど華やかですが、それは仏教からの影響でもあり、神仏習合であると考えられています。
 儀式の終了後、顔に付けられた小豆は集められて神社に献饌します。そして翌日、撤饌した小豆は赤飯や牡丹餅などに調理されて、儀式に参加した村民たちで直会します。神人共食は神との強い繋がりをもつ神事として、無病息災を祈願するのには欠かせません。
 日本では元来、小豆は邪気を払う呪術的な役割を担い、魔除けとして用いられてきました。「赤色」という特徴が由来であり、祝い事に赤飯を炊いたり、季節ごとに小豆を使用した和菓子を食べるのも魔除けの意味があります。小豆を顔に付けるという先人たちの行為は、幸福を得ようとする強い願いの表れだったのでしょう。
 今でも一部の地域では『小豆裸の儀』が受け継がれています。儀式が簡略化されるなど、時代と共に変化した部分もありますが、鎌倉時代からの風習を現代に伝えています。
 
 
世界中に広がる最先端ファッション『アズラー』
 
 現在、日本では小豆をヒゲに見立てたファッションが流行しています。古来より伝わる『小豆裸の儀』に由来することは周知の事実です。彼らはアズラーと呼ばれており、小豆裸(あずら)が語源である説が有力です。
 邪悪なものから身を守る魔除けを目的として用いられてきた小豆でしたが、現在はその呪術的な意味を失いました。それはタトゥーやピアスが宗教的な役割からカジュアルなファッションへ変化したように、アズラーの本当の由来が忘れ去られる中で、最先端ファッションとしてアズラーは日本全国に浸透し始めています。
 
 
 
>top page